例題1
次の図4.1のような直角三角形ABCにおいて、角Aの大きさ を求めよ。また、辺ABの長さ 、辺ACの長さ をそれぞれ を用いて表せ。
図
4.1
例題1の解答
三角形の内角の和は なので、角A 、角B 、角C より
が成り立つ。したがって、
次に、辺BCの長さは なので、辺ABの長さ は と表せる。したがって、
さらに、三平方の定理より、
が成り立つので、
\begin{align}
z^2 &= y^2 - 16 \\
\displaystyle &= \left( 4 \; L({50}^{\circ}) \right)^2 - 16 \\
\displaystyle &= 16 \; L({50}^{\circ})^2 - 16 \\
\displaystyle &= 16 \left( L({50}^{\circ})^2 - 1 \right)
\end{align}
と表せる。したがって
例題2
次の図4.2のような三角形ABCにおいて、角Aの大きさ を求めよ。また、辺ABの長さ 、辺ACの長さ をそれぞれ と を用いて表せ。
図
4.2
例題2の解答
三角形の内角の和は なので、角A 、角B 、角C より
が成り立つ。したがって、
次に、下の図4.3のように、三角形ABCにおいて点Aから辺BCに向かって垂線(辺BCと垂直になるような線)を引き、その垂線と辺BCが交わる点をDとする。
図
4.3
このとき、辺BDの長さを とすると辺DCの長さは と表せるので、辺ABの長さは 、辺ACの長さは と表せる。したがって、三平方の定理より
\begin{align}
k^2 + {AD}^2 &= {L(k, {25}^{\circ})}^2, \\
(5 - k)^2 + {AD}^2 &= {L(5 - k, {70}^{\circ})}^2
\end{align}
が成り立つ。これより、
\begin{align}
\displaystyle AD &= \sqrt{{L(k, {25}^{\circ})}^2 - k^2} \\
\displaystyle &= \sqrt{k^2 {L({25}^{\circ})}^2 - k^2} \\
\displaystyle &= k \sqrt{{L({25}^{\circ})}^2 - 1}, \\
\displaystyle AD &= \sqrt{{L(5 - k, {70}^{\circ})}^2 - (5 - k)^2} \\
\displaystyle &= \sqrt{(5 - k)^2 {L({70}^{\circ})}^2 - (5 - k)^2} \\
\displaystyle &= (5 - k) \sqrt{{L({70}^{\circ})}^2 - 1}
\end{align}
となるから、
が成り立つ。これを の方程式と見て について解くと、
となる。
辺ABの長さ は 、辺ACの長さ は だから
\begin{align}
y &= L(k, {25}^{\circ}) = k \; L({25}^{\circ}), \\
z &= L(5 - k, {70}^{\circ}) = (5 - k) \; L({70}^{\circ})
\end{align}
となる。これに を代入すると、
例題を通して
上の2問の例題を通して、「関数 を使うことで未知の辺の長さが表現できる」ことの威力が分かってもらえたと思う。この例題では や などはそれ以上深堀せずに解答とする形を取ったが、こうすることで次に我々の頭の中では以下のような疑問が自然と湧いてこないだろうか。
「もしこの
や
の値が具体的に求められれば、辺の長さももっと具体的な数値として表せるのではないか」
次以降の記事では、まさにこの疑問に応えるべく関数 の性質について本格的に調べていくこととする。(次の記事へ続く)
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