条件命題
「もし~なら、~である」というような、「もし~なら」という仮定(条件)が含まれた命題を「条件命題」という。
例えば、「もし明日の天気が晴れなら、明日運動会が行われる」という命題は条件命題である。例によってここでも記号の話をさせてもらうが、一般に「もし なら である」という条件命題は記号で「」と表す。
少し神経質な指摘かも知れないが、「」ではないことに注意されたい。「そんなのどっちでもいいじゃないか」と思われるかもしれないが、一応論理学の世界では矢印の記号1つ取っても明確に使い分けがされているので、条件命題と言われたら必ず「」の方を使うようにしよう。
条件命題の言い換え
「もし なら である」という形の条件命題だが、実はこれは前記事(命題論理 Part1)で扱った「または」を使って言い換えることができる。
先ほど挙げた条件命題「もし明日の天気が晴れなら、明日運動会が行われる」を例に考えていくことにしよう。この命題は、「明日の天気が晴れである」という条件を満たせば「明日運動会が行われる」という部分は必ず真になる、と言っている。当たり前であるが、世の中の事象として「明日の天気」というのは「晴れである」か「晴れでない」かの二択しかないのだから、言い換えれば、「明日の天気が晴れではない」か、またはそうでなければ(晴れということになるので)「明日運動会が行われる」ということになる。つまり、起こりうる事象としては、
の少なくともどちらか一方が必ず成り立つ。
これを一般化すると、「もし なら である」という条件命題は
という命題と同じということになる。記号で表すなら、
となる。このことをまとめておこう。
条件命題の言い換え公式
条件命題の否定
条件命題 の否定 を考える。前節の「条件命題の言い換え公式」と、前記事(命題論理 Part1)で扱った「ド・モルガンの法則」(「かつ」「または」の否定公式)を組み合わせることにより、 はすぐに分かる。
「条件命題の言い換え公式」より、 は
と同じである。すると、「ド・モルガンの法則」より、これは
と同じである。 は二重否定なので元の と同じである。したがって、
と書き換えられる。
以上より、 は と同じになることが分かる。このことをまとめておこう。
条件命題の否定公式
例えば、
という条件命題の否定は
となる。具体例で考えれば、直観的にも納得しやすいと思う。(次の記事へ続く)
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